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リレーストーリー小説【マリユメ 】 第九話 「ローゼティラ」



リレーストーリー小説【マリユメ 】
第九話 「金髪のエルフ」
著者:ユメリア





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目の前に現れた人物を見て、ユメリアは驚きの色を見せた。




「ローゼティラ……!?どうして!?」




ローゼティラと呼ばれた金髪のエルフの娘は、


ユメリアの自宅の近所に住んでいて、ユメリアをいつも助けてくれるサポーター的存在であった。





しかし彼女は突然、

「風を求めてくる」とかわけのわからないことを言って


一年以上行方を眩ませていた。





そんなユメリアの反応を見て、ローゼティラは楽しそうに微笑んだ。





「一人旅を十分楽しんだので、家に帰ったら、たまたま近くにいたヒューザに頼まれたんです……」



「たまたま……?」



ユメリアは小さく首を傾げた。



共にジュレットにいるはずのヒューザが、

何故、アズランの森林地区にいたのだろうか。




ヒューザは気まずそうに、自身の頬を掻いた。


「悪い、お前のルーラストーンを拝借した」

「ああ、なるほろ……」



どうやら、ヒューザは勝手に人の荷物を持ち出した事を気にしているらしい。


ユメリアは小さく笑みを浮かべた。


「ありがと、ヒューザ」


そう言ったら、ヒューザも笑みを浮かべて頷いてくれた。



事情を知らないローゼティラは、何故ユメリアがこのような怪我を負っているのか、気になっている様子だった。



「……で、どうしてこんな事になっているのですか?」


「そう言えば、俺も詳しい事情は知らないな。聞かせろよ」



ローゼティラの目は興味深そうにキラキラとしていて、

逆にヒューザは真剣そうに眉間にしわを寄せて、こちらを見ていた。


二人の正反対な反応に、ユメリアは苦笑を浮かべて、口を開いた。



「えっと、じゃあ説明するね」



ユメリアは重たい腰を上げて立ち上がり、

自分の荷物から封筒を取り出して、その中身を2人に見せた。



様子を見ていたソーミャも興味を持っていたようだが、

大人の事情だと思い、首を突っ込むことはしなかった。



その内容を見終えたローゼティラは、目線をユメリアにやった。


「その『幼馴染』っていうのが、ヒューザというわけですね」


「うん、それで何と無くジュレットに来たんだけど……ソーミャに会ったとき、あの仮面に人質にされちゃって……」



ユメリアは視線を落とした。

まさか、ソーミャを狙うとは思わなかった。

あの時の自分の不甲斐なさに、思わず自嘲してしまった。


「(こんな事で、女の子1人守る事が精一杯なんて、いくら省エネモードになっていたとはいえ、だらけすぎたのが原因か……)」


小さく溜息を漏らした。


そういえば、今回は運良くヒューザに助けてもらえたの思い出し、

手紙を見つめるヒューザに声をかけた。



「それで、どうしてヒューザはジュレットに?偶然……って感じじゃなさそうだけど」


そう言われ、ヒューザははっとした。

何かを考え込んでいた様子だったが、意を決したのか、

ユメリアの手紙を置き、自分の懐から一通の手紙を取り出した。


「俺はたまに寄っていたが、変な奴にぶつかった。その時に、懐にこんな手紙が入れられた」



雑に封を切られた封筒をユメリアに差し出し、

ローゼティラもユメリアの隣に行って、共にその手紙の内容を読んだ。


「……"孤独な少女の元へ行け。さもないと、また幼馴染が死の淵に……"」


"また幼馴染が死の淵に"


その言葉を見て、ユメリアは、

自分の魂が、ヒューザに斬り殺された"ウェディのユメリア"に乗り移った時の事を思い出した。


「……ヒューザ、あんた……」

「……何だよ」

「……ううん、ありがと……」



きっと、手違いで"幼馴染のユメリア"を斬り殺してしまったのを、今でも思い悩んでいるのかもしれない。


ユメリアは少し嬉しそうに思いながら、その手紙をヒューザに返した。


「さて、話をまとめましょうか」


ローゼティラの声に、ユメリアとヒューザは同時にローゼティラに視線をやった。

真剣そうな彼女の表情に、2人も気を引き締めた。


「ソーミャを人質にしたあたり、仮面とやらは、おそらくユメリアが狙いでしょう」


「……うん、何故狙ったかは……」

「目的は、その手紙にあるのでしょうね」



きっと、仮面の男は、この手紙の"何か"を狙っている。それは間違いないようだった。


「そして、ヒューザのその手紙と、ユメリアの手紙はきっと同じ人物か、組織でしょうね」


ローゼティラの意見に、2人は同意した。


ユメリアは少し自信を取り戻したかのように、小さく笑みを浮かべた。



「そう考えると、私が想像してる"幼馴染"はヒューザで合ってるわけだね」

「ええ。しかし、疑問点が増えてしまいました」


ローゼティラは、自分の荷物から、日記帳と羽ペンを取り出した。

それを見て、ユメリアははっとした。



ローゼティラは旅の記録と、その日どんな事があったのかメモをするのが好きなのを思い出した。

確か、知り合いに手紙を送るのも好きだった気がする。


そんな彼女のマメさに苦笑を浮かべながら、その様子を見ていた。



ローゼティラは、日記帳から1ページを切り離し、そこに羽ペンを走らせた。


「何故、ユメリアにこの手紙を送ったか、あの仮面の真の目的は何なのか、送り主との関係は何なのか」



そう、メモを書いてる途中、家の外からひそひそと声が聞こえた。


ユメリアとヒューザもそれに気づき、3人は耳を潜めてその話を聞いた。



「……騒ぎに巻き込まれて、ソーミャも可哀想ねぇ……」

「でもねぇ、ソーミャもあの騒ぎを起こした人達と知り合いらしいのよ……」

「あら、そうなの?全くもう、猫を連れてきた件もあるし、騒ぎを起こさないでほしいわぁ……」

「全くよねぇ……町長も何考えているのかしら……」



おばさんたちのひそひそ話を聞いて、ユメリアは俯き、膝に置いた拳を震わせた。


「(……どうしよう……自分のせいで、ソーミャが居心地悪い思いをしちゃう……)」



そんなユメリアの様子を見たローゼティラは、小さく溜息を漏らして、ユメリアに提案した。



「……ジュレットで騒ぎを起こしてしまいましたし、事が収まるまで、ここに来ない方がいいでしょうね」

「そう……だね。ソーミャを巻き込んだわけだし」


その考えに、ユメリアは同意し、ソーミャの様子を見ようとして、チラッとソーミャを見た。

やはり……寂しそうにこちらを見上げていた。


「……お姉ちゃん達、しばらくここに来ないの?」

「ソーミャ……」



こっちの都合で騒ぎを起こして、ソーミャを巻き込んで、

当分ここにこれないのでさようなら、って、あまりにも酷いことをしてると、自分でもわかっている。


だが、騒ぎがもっと大きければ、本当にこの町に来れなくなる。

だから、これが最善策のように思えた。


そんなユメリアの様子を見て、ローゼティラは苦笑を浮かべた。


「……その事なんですが……」


ローゼティラはひとつ提案をした。

それを聞いたユメリアとヒューザは、思わずぎょっとしてしまった。


「ソーミャを連れて行く!?」

「お前、何考えてんだ!?」


想像どおりの二人の反応に、ローゼティラの笑みが濃くなった。


「冗談ではありません。私なりに、最善策を考えた結果です」

「だからってソーミャを巻き込むわけには……」

「巻き込む?いいえ、もうすでに『巻き込んだ』のですよ。あなたは最後までその責任を取らなければなりません」


それを聞いて、ユメリアははっとした。
ローゼティラの考えも、一理あると思った。

そしてローゼティラは、ヒューザを見て言葉を続けた。


「それに、ヒューザの手紙に書かれた『孤独な少女』はソーミャの事です。その時点で、彼女を巻き込むつもりだったのでしょう」


それを聞いて、ヒューザも言葉が出なくなった。

少し沈黙が流れた。それを破ったのはユメリアだった。


「でも、ソーミャはまだ子供だし、戦わせるわけにはいかないよ……」

「もう……誰が戦いに連れて行くと言ったんですか?」


ローゼティラは、はぁ、と小さく溜息を漏らして、ソーミャの肩に触れて抱き寄せ、ユメリアを見た。


「ソーミャをあなたの家にしばらく預ける。それでいいではありませんか」


それを聞いて、ユメリアは大きく目を見開き、目をキラキラと輝かせた。


「え……え!?それっておいしいけど可能なの!?システム的に!!」

「この話はパラレルワールドなのでオッケーでしょう」

「何の話してんだ、こいつら」

「お姉ちゃん、何がおいしいの?」


2人の会話に付いて来れないヒューザとソーミャは小さく首を傾げていたが、
ユメリアとローゼティラは、話が盛り上がり過ぎて、それに気づくことはなかった。


「それに、あそこには、信頼できる、多くの冒険者が集まっているのですよ。まず安心でしょう」


ローゼティラは、かつてチームに所属していた面々を思い出していた。
自分たちの周りには、そのチームの面々が暮らしている。
彼らは共に鍛錬し、強敵を倒してきた、最も信頼できる人達だと思っている。


もちろん、ユメリアもそう思っていた。

しかし、それでもソーミャの事が心配だった。


「でも、まわりに事情を話しても、ソーミャから離れるわけにはいかないよね。誰か一人は家に残らないと……」


それを聞いて、ローゼティラは小さく頷いた。


「ユメリアは、手紙の真相を知るために、情報を集めなければいけませんしね」

「うん。事が大きくなりそうな気がするし、いざという時、一緒に戦ってくれそうな信頼できそうな人を探してみようと思う」


「……となると、私かヒューザが残る事になりますね。まぁ、私は家が近所なので、私が残ることが妥当だと思いますが……」


ローゼティラの言葉に、ユメリアは頷いた。

しかし、それを聞いたヒューザが、重たい口を開いた。


「……いや、俺が残る」

「え……ヒューザ?」


思いがけないヒューザの言葉に、ユメリアは大きく目を見開いて、驚きの様子を隠せなかった。

それを聞いたローゼティラは、ずかずかとヒューザに近づいた。


「いえいえそんなの許しませんよ!女子の家に野郎が居座るなんて、そんなの許しませんよ!!!」

「なんか目がニヤニヤしているように見えるんだけど!!」


ユメリアの言うとおり、ローゼティラは楽しそうに、かつ、興味深そうに、ヒューザに問い詰めていた。

そんなローゼティラの反応に、ヒューザはわざとらしく溜息を漏らし、憐れむかのような目で、ユメリアを見下ろした。


「こんな面倒臭がりで、弱くて何もできないちんちくりんの家で、やましい事なんか考えてねぇよ。俺がソーミャを守った方が、効率がいいと考えただけだ」


「あんた貶しすぎだよ!!てゆーか面倒臭がってないしー!省エネ期間だしー!!!」


「はいはいはい」



隣でキーキー大声で言うユメリアを軽く聞き流すヒューザの様子を見て、ローゼティラは小さく苦笑を浮かべた。


「まぁ、本人がそう言うなら、それでいいでしょう」

「え、私は面倒臭がりでいいの、ちんちくりんでいいの」

「それでは、私はこんな面倒臭がりなちんちくりんと別で行動して、他の街や村で怪しい人物が現れてないか、調査してみましょう」

「ぐはぁ!?」



ローゼティラは味方してくれると思ったのに、見事に裏切られたユメリアは、吐血して倒れた。


そんな様子を見ていたソーミャは、どうすればいいかわからず、とりあえず近くにいるローゼティラに、小さく首を傾げた。


「えっと……私、お姉ちゃんの家に行くの……?」

「ええ、そうですよ。でも、遊びに行くわけではありません。あなたの安全のために、行くのです」


ローゼティラは真剣に、ソーミャにそう言った。

それを聞いたソーミャは、自分のせいで、ここにいる人達に、迷惑をかけていると考えた。


「あの……」


ソーミャの声に、ユメリアとヒューザは振り向いた。

申し訳なさそうに、眉を下げて、ソーミャは俯いた。


「迷惑かけて、ごめんなさい……」

「いや……迷惑かけたのはこっちだ。お前は気にするな」


そう言って、ヒューザはソーミャの頭をぽんっ、と触れた。

ソーミャは頬を染めて、嬉しそうに頷いた。


「うん、ありがとう」


新しい生活が、始まった。








〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・


十話に続く
| リレーストーリー小説 【マリユメ】 | 11:43 | comments(0) | - | - |

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